LEDは電気を流すと発光する半導体の一種で、従来の光源には真似できない優れた特長を持っています。
そんなLEDはどうして光るのか、について簡単に解説します。
LEDの発光原理
LEDチップの基本構造は、プラスの性質を持つ正孔※1)が多いp型半導体と、マイナス電子を多く持つn型半導体からできています(PN接合)。
LEDチップに順方向※2)の電圧をかけると、LEDチップの中を正孔(+)と電子(-)が移動し電流が流れます。
この移動の途中、電子と正孔がぶつかることで結合(この現象を再結合という)し、再結合された状態では、電子と正孔がもともと持っていたエネルギーよりも、小さなエネルギーとなって安定します。
その時に生じた余分なエネルギーが光のエネルギーに変換され発光します。これがLEDの発光原理です。
このようにLEDは、電気で加熱したフィラメントから放たれる光を利用する電球と違い、電気を直接光に変えて光るので、低消費電力・長寿命という、従来にはない特徴を持った光なのです。
※1)p 型半導体中を電子が移動した時に、電子が元にいた位置に残った穴(孔)のことを正孔という。
※2)LEDには極性があり、p型半導体側を「アノード (記号A)」、n型半導体側を「カソード(記号K)」といいます。LEDは、正しい方向に電圧を加えないと電流が流れません。アノード(A)側にプラス極(+)を、 カソード(K)側にマイナス極(-)を接続して電圧を加える場合を「順方向」といいます。 つまり、LEDが発光する方向、正しく電流を流せる方向のことです。
LEDの形状
LEDには、大きく分類して表面実装型と砲弾型があります。
表面実装型LED
エポキシやシリコンなどの樹脂を封入したタイプです。
内側の面は、反射板としてテーパー状になっています。
エポキシやシリコン樹脂、ガラスなどで形成したレンズを取り付けて指向性を高めたもの、底面にヒートシンクを取り付けて放熱性を高めた大電流対応型もあります。
砲弾型LED
リードフレームとLEDチップを一体化したタイプです。
周囲は、エポキシ樹脂で固められています。光を効率よく取り出すために空気とLEDチップ間に屈折率を有しています。